基本的に、ビジネスにおいてのマーケティングは「新規獲得のために行うマーケティング」と「既存顧客に対してのマーケティング」の2種類しかないといっても過言ではありません。
CRMの意味や定義の説明だけではイメージが掴みづらかったかもしれませんが、世の中の企業や店舗が行っている“新規獲得以外の施策”はすべて「CRMマーケティング」と考えていただければ良いかと思います。
問い合わせ対応のためのコールセンターや店頭でのコンシェルジュサービスなどカスタマーサービスはもちろんのこと、既存客をターゲットとした商品開発、会員限定のイベント開催、VIP顧客のみの特別セール、ポイントカードなどもCRMにあたります。また、お得意様にハガキやDMを送ったり、定期的にメルマガ配信を行うなども代表的なCRM施策といえます。
では事業者として、実際にどういったツールを使って施策を行うと有効なのか。ここでは代表的なマーケティング手法について挙げていきます。
メールマーケティング
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メールを活用した施策は「スポット配信(メルマガ)」と「自動配信(ステップメール)」に分かれます。基本的には、「定期的に有益な情報を配信し、顧客の満足度を高めることでファン化を図りつつ、来店誘導やクロスセル商品の購入を適宜オファーする」ことがベースとなります。
ステップメールを活用すると、あらかじめスケジューリングをしてセットしてあるメールシナリオが、購入時(来店時)などをトリガーに自動配信されるため、全く工数をかけずに顧客満足度や売上のアップが可能になります。
もちろん、それらの配信は全体へ向けた一斉配信だけでなく、「性別」「誕生月」「利用店舗」「購入履歴」「興味・関心」などでセグメント(属性)分けをした特定の顧客にだけ届けることもできるため、CRMを行ううえで、メールマーケティングは非常に有効な施策となります。
LINEマーケティング
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昨今、メールマーケティング以上に注目を浴びているのがLINE公式アカウントを利活用したCRM。メール同様の使い方として、一斉配信やセグメント配信、ステップ配信ができることはもちろん、リッチメニューや自動応答機能を活用することで、ホームページやアプリのような利便性を顧客に提供することが可能です。企業側としては「来店促進」「24時間予約」「商品購入誘導」「よくある質問の閲覧誘導」「店舗検索やアクセス確認」「ポイントカード」「キャンペーン告知」「クーポン発行」「問い合わせフォーム」などなど・・・、あらゆるCRM施策がLINEひとつで完結できるようになるため、企業にとっても顧客にとっても大きなメリットがあります。
さらにLINEの1対1トークやLINEコールを活用することで、企業側と顧客がクローズドな場で直接個別にやりとりができるため、カスタマーサービスを強化したい企業にとってはこれ以上ないCRMツールと言えるでしょう。
SNSマーケティング
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InstagramやTwitter、FacebookなどのSNSを活用して行うCRMもあります。これらSNSを活用するうえで注意しなければいけないことは「プッシュ型のツールであるメールやLINE」と「プル型のツールであるSNS」は枠割りが違うことを理解して明確に使い分けを行うことです。
各媒体で行う施策の内容はもちろんのこと、発信するタイミングや対象の範囲を設計し、メールやLINEと相乗効果を生むように導線を組み立てなければなりません。
具体的にいうと、SNSはリアルタイム配信やオファーには向いていないため、「ブランディング」「関係性構築」「ファン化促進」「ザイアンス効果の活用」「コミュニケーション」「イベント等のティーザー」などに関わるCRM施策が有効です。
売上を立てるための施策に関しては無理にSNS上で行おうとせず、集めたアクセスをメルマガやLINEに誘導し顧客リストを獲得していくことが成功のポイントになってきます。
その他、有効なマーケティング
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「メール」「LINE」「SNS」といったデジタルツール以外にも、コールセンター(電話)・ハガキ・同梱物・DMなど、昔ながらのオフライン媒体もマーケティングにおいて有効なツールになります。