食卓に届けるパーソナライズド体験|ワタミの宅食ダイレクトが見出したCRM戦略の新境地

左:マーケティング本部 本部長 小副川裕久様
中:マーケティング本部 DtoCマーケティング部 課長 田村絵美様
右:マーケティング本部 DtoCマーケティング部 課長 三好貴行様

Caseクライアント:ワタミ株式会社 マーケティング本部
取り組み:定期購入促進と継続率向上のためのCRM戦略の実施

はじめに企業(事業)概要を教えてください。

「ワタミの宅食ダイレクト」は、バランスの取れた冷凍惣菜を宅配便でお客さまにお届けする事業です。

2017年に、冷蔵のお弁当・お惣菜宅配事業「ワタミの宅食」の補完として始まりました。毎日スタッフが直接届ける冷蔵宅配では対応できない地域にも食事をお届けしたいという思いから、冷凍惣菜の宅配便サービスとして展開しています。

冷凍食品の需要拡大を背景に、2023年には自社工場を設立し、物流体制も刷新しました。これにより、高齢者だけでなく幅広い世代に向けて、冷凍通販事業としての拡大・強化を図っています。
現在の主力商品は、3種のお惣菜セット「いつでも三菜」と、5種のお惣菜セット「いつでも五菜」です。

LINE公式アカウントは活用されていましたか?

CREA STYLE社とLINE公式アカウントの立ち上げを行い、2023年から既存のお客さまとのコミュニケーションツールとして活用を始めました。
当初は、既存のお客さまにLINE友だちになっていただく取り組みからスタートし、現在では定期購入の促進、継続率の向上、休眠顧客への再開促進など、幅広い目的で活用しています。

LINE、またはCRM施策の強化に興味を持ったきっかけは何でしたか?

LINEは幅広い年代の方が日常的に利用しているツールであるため、LINEから注文や変更などができるようになると、お客様の利便性向上につながると考えました。

弊社(当事業)はアプリを活用していないため、お客様がわざわざウェブサイトを開いて操作する必要があり、これが課題でした。特に定期顧客の方々は、ウェブサイトのお知らせをほとんど見ることがありませんので、ホームページ以上に顧客との接点が持てるツールを探していたこともあります。

弊社のサービスを利用する前に抱えていた課題や問題点は何でしたか?

CREA STYLE社と取り組みを始める前に抱えていた主な課題は、「既存顧客とのコミュニケーションと効果的なCRM施策について」でした。

具体的には、

・既存顧客と深い関係性構築
・情報発信の効率化と配信コンテンツのクオリティ向上
・新規獲得や新規顧客向け以外の施策の強化
・顧客にとっての利便性向上
・顧客データの有効活用、セグメント施策強化

これらを実現するために、効果的なCRM施策を実施、また、体制を構築することが必要だと感じていました。

弊社のサービスを利用していかがでしたか?(実際稼働してみていかがですか)

まず、MAを通じた定期購入への引き上げ施策が非常に効果的でした。数値で効果が明確に把握できるため、さまざまな施策を積極的に展開しやすくなりました。
また、以前は難しかった休眠顧客への再開促進施策も実施できるようになり、顧客維持に大きく貢献しています。

LINE公式アカウントの活用も順調で、友だち数が着実に増加しています。毎月のプレゼント企画などを通じて、お客様とのつながりを持続的に維持できているのは大きな成果です。

さらに、お知らせやキャンペーンなどの情報を、伝えたいタイミングで即時に配信できるようになったのも大きなメリットです。お客様への迅速な情報提供が可能になりました。
リッチメニュー活用と併せ、注文や注文変更の利便性が向上し、新規注文の増加にも寄与していると考えています。

サービス導入後、具体的にどのような改善や効果を実感されましたか?

特に印象的なのは、セグメント施策が可能になったことと、それが成果につながっていることです。
新規顧客や定期購入顧客など、お客様ごとにセグメント分けを行い、それぞれのグループに最適化された施策を打ち出せるようになってから、マーケティングの効率が大幅に向上しました。

具体的には、定期継続中のお客さまへの定期的なアプローチ、お試し止まりの方に対して定期への移行誘導、お休み中の方への再開アプローチなどができるようになり、定期の引き上げは10%ほど効果が上がりました。アンケートの回答率が70%をキープしているなど顧客の反応を得られていることも嬉しい点です。

現在は、LINE施策に加え、メールでのCRM施策もスタートし、多角的な顧客アプローチが可能になっています。
全体として、これらの施策に取り組むことにより、お客様とのコミュニケーションが深まり、販促活動の効果も向上していると感じています。

お客様の立場から見た、弊社サービスの特長や魅力は何だと思われますか?

LINE公式アカウントの導入・運用のスタートからMAの活用までずっと寄り添っていただいています。
弊社の場合、通販カートシステムでecforceを利用しているため、それに合わせた施策が必要になりますが、御社も初見のこともある中、一緒に学び施策を検討いただいてることに感謝しております。

弊社(当事業)はWEBマーケティングを本格的にスタートしたのも昨年下期からで、わからないことが多々ある状況ですが、施策を始めてから、ずっと前年を越えた客数、定期顧客数を達成できています。

目に見える数値が私たちのやる気にも繋がっていますし、より施策を強化していきたいと考えたときに、すぐにご相談にのっていただけるので、大変助かっています。

最後に、メッセージをお願いします。

ダイレクト事業部立ち上げから携わっていただきありがとうございます。
昨年9月にシステムを入れ替えリスタートしたばかりの事業となり、トライアンドエラーの繰り返しですが、CRM施策やMA施策は確実に良い方向に進んでいると感じています。

LINE公式アカウント開設から初期設定、既存顧客向けLINE友だち施策など、LINEのみの運用から取り組みをスタートしましたが、現在はMAを使ったメルマガ配信やステップメール施策を中心に、CRM全般の運用に携わっていただいていることが心強いです。

CRM施策に関しては、まだまだ実施できることがあると考えています。今後の重点課題は、継続利用してくださっているお客様にいかに長くサービスを利用していただけるかということです。
魅力的なプレゼント企画やポイント施策など、お客様に飽きを感じさせない取り組みをより一層強化していく予定です。これらの施策を通じて、継続率の向上を図っていきたいと思います。

CRMの重要性はますます高まっていくと予想されますので、今後も新しいアイデアや効果的な戦略を積極的に取り入れていく所存です。引き続きよろしくお願いいたします。

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